2月18日、ENTREVUE.FR紙は、「コスタリカ、米国から強制送還された外国人移民を受け入れることに同意」と題した記事を配信しました。
それによりますと、主に中央アジアとインド出身の米国滞在者約200名を民間航空機でコスタリカに輸送し、コスタリカはパナマとの国境地帯の街であるパソ・カノアスにあるカテム(CATEM)臨時受入センターで受け入れるとのことです。また、国際移民機構(International Organization of Migrations)の監視のもと、その費用はすべて米国政府が負担するとのことです。
同記事は、「コスタリカ政府は移民200人の母国への送還を促進することに同意した」としており、コスタリカがこれらの移民をそれぞれの母国に送るのか、もしくは自国内に居住する権利を与えるのかは不明です。
同様の記事がNNA ASIA(アジア経済ニュース)の有料版でも配信されています。
筆者(代表理事足立)がこのニュースの信頼性を確かめたところ、コスタリカの大統領府からも「中央アジアの米国移民を200名受け入れる」という発表がなされていることがわかり、間違いないようです。また、コスタリカからそれぞれの移民の出身国への移送費も米国政府が負担することになっているとのことです。
コスタリカの現地報道によると、今後、いつまでにどれくらいの米国移民が送られてくるのかはまだ定かではないそうで、今回は「第一弾」であり、これからさらなる米国移民がコスタリカに送られてくることもありそうです。
以上が最新の報道による情報です。以下、筆者の解説です。
コスタリカは、伝統的に移民に対して非常に寛容な政策を採り続けてきており、数百名程度の移民の一時的受け入れであれば技術的には問題ないと思われます。ただ、これらの移民が母国へ送還されることを拒否し、コスタリカに「亡命」を申請した場合、コスタリカ政府がどう対処するのかには注視も必要かもしれません。というのは、今回の場合、「米国による米国への移民の追い出し」作戦の一環としてコスタリカ(をはじめとした各国。他にはグアテマラやパナマなども同じことが起こっている)を移民強制送還の「中継地点」に「米国が」使っている(費用も米国が負担している)ので、「コスタリカへの亡命を認めない」という主張を米国が押し通してくる可能性も否定しきれないからです。
本来であれば、亡命は個人の権利であり、ある国に対する亡命を、その出身国でも受け入れ国でもない第三国が「拒否」することは国際法上無理なことなのですが、就任以来米国憲法も国際法も軽視した大統領令を乱発しているトランプ大統領の動きには不確定要素がつきまといます。今後も眼が離せない状況が続くと見てよいかもしれません。
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